あんま関係無いけど、最近メフィスト賞の本を1冊読むたびに寿命が100日ずつ縮んでいってる気がします

あー今回も推理小説の話です……エロゲ関係の話はね、厄いネタしか無いんですよ……。
某兄さんの関係者が関わってるからという理由で買わされた『(某エロゲノベライズ)』読んでメインヒロインにマジギレしたとか、『ラムネ』の片岡ともが書いたルートがやっぱり個人的に大嫌いなテイストだったとかね……。



まーそんな訳で、『(某メフィスト賞作品)』『(某エロゲノベライズ)』と(私的には)超地雷を2連続で踏んだ挙げ句、もうすぐ『(確実に核地雷な某同人誌)』が送りつけられてくるので、何とか心のHPを回復しようと思って、うっかり麻耶雄嵩の『名探偵 木更津悠也』を読んでしまったのが大失敗でした。
4HITコンボ確定、むしろ菩薩掌です。



あれほど麻耶雄嵩厄いと自分で強調していたのに、メルカトル鮎が出てこないと思って油断していたのが大間違いでした。
(ちなみにメルカトル鮎が出てくる話が厄いのは、基本的に「視点人物(主にワトソン役の美袋さん)がメルカトル鮎に精神的なイジメを受けまくるから」です。
まーサブキャラの人物造形とか話の展開とかの、他の部分も十分厄いですけど。)



読んだのが10年前とはいえ、なんで『翼ある闇』が厄かったのかすっかり忘れてたのは馬鹿過ぎでしたわ……。


話が逸れましたが、この『名探偵 木更津悠也』がなぜ厄いかと言いますと……今回は流石に背景色でもアレだと思うので、(続きを読む)で。




この『名探偵 木更津悠也』、タイトルの通り、「名探偵の木更津悠也」と「ワトソン役の香月実朝」のコンビの活躍を書いた短編集なんですけど、ワトソン役の香月さんは、ただ名探偵の格好良い活躍を間近で見るのが趣味だから、わざとワトソンレベルの脳みそしか持ってないふりをしているだけで、本当は木更津悠也よりも遙かに有能なんですよ


もちろん、ただワトソン役の人が「名探偵の格好良い活躍を〜」という趣味を持っているだけでは厄い話になりません。
ですがこの人、かなりの確率で名探偵よりも先に真相にたどり着いているので、心の中で木更津悠也の推理について採点していたり、さらには「まだ気づかないのかこの馬鹿が」と思っていたりします
あまつさえ、あまりの木更津悠也の馬鹿さ加減にイラついて、(ヘイスティングスさんのどうでもいい発言がポワロさんにインスピレーションを与える様な感じで)わざと訳が分からない言動をして木更津悠也の思考を真相へと無理矢理導いたりもします
これがマジ厄い


上手く説明できているかどうか不安なんですが、ワトソン役の人が、

「まあ名探偵の推理としては合格点といった所だろう。」
「名探偵なら、この程度の事は即分かって貰わないと困る。」
「仕方ない。名探偵の活躍を見物するのが趣味な私としては不本意なのだが、少しヒントを与えてやるか。」

などと心の中で思っている推理小説というのは、実際読んでみると本気で厄いですよ!。



そのくせ、なぜか心理描写で「名探偵って本当に格好良いなあ」と割と本気で思っているらしい事が書いてあるのが、なんとも不気味で厄い



さらに、これは割とどうでもいい事ですが(オイ)、容疑者も被害者も依頼人も大抵厄い人達なので、当然の結果として、もうどうしようもなく読後感が厄い



そして何より厄いのが……これだけ最悪な要素が詰まっているのに、屈辱だが、小説としては面白い事ですよ!
正直、この麻耶雄嵩って人が天才なのか、私の趣味がおかしいのかすら判断できません。
割と人気のある作家らしいので、一応前者だとは思うんですが……推理小説の世界は例えばアイデアっつーかトリックさえ凄ければ、他が全部クズでも評価される世界ですからねえ……。