比較対象となる歌姫が、8割方エロゲキャラなのは自分でもどうかと思いますが

 お前何週遅れてるんだよって話ですけど、6/25に東京行って平井理子さんを九龍迷廊っつー舞台を見てきました。
 いや、でも大佐ライブの梶田夕貴さんのパフォーマンスが凄く良かったので、結構中身も期待してたんですよ……って結局声優しか見てない駄目オタ脳じゃねーか。


 この舞台、平井理子さんが最初全然出てこなかった上に、あまつさえ出てきたと思ったらお……言葉を失った歌姫ケィティという役でセリフが全然無かった時には、心の底から「わざわざ東京くんだりまでやって来たのは失敗だった……」と思っていた(ひでぇ)のですが……舞台のクライマックス、悪人のボスである老師様兼牧師様の洗脳を解くために歌を歌う場面がもんの凄く良かったので、そこまでの不満が全て吹き飛びました。
 私、今まで「○○始まって以来の天才歌姫」とか「○○の再来と呼ばれるくらい凄い歌姫」とかそういう大仰な設定が付いた歌姫キャラが出てくるお話で、(物語自体の出来はともかく)歌姫を演じている人の歌に満足できたためしが無いのですが、今回は「洗脳を打ち破るくらい凄い歌姫」と言われて納得できる、実に良い歌だったと思います。
 まあ、元々中の人のファンなので、多少所じゃないくらい贔屓目が入っているんじゃないかなーと思わない事もない訳ですが(笑)。


 と書くと、まるで平井理子さん以外何も覚えていないように見えますが、全くその通りですいやいや、舞台そのものもかなり良かったです。
 最初の方はかなりギャグ調だったので、軽いノリの話なのかと思いきや、駄目な主人公が次第に成長していく姿や、「人間不可能に思えても、頑張らないといけないんだよ。やってみなくちゃ何も始まらないし。」といったような王道テーマ、そして、「世の中表があれば裏もあるし、正しいことで何もかも押し通せるような単純な物でもないんだよ」という裏テーマ(っぽいもの)を、表テーマを打ち消さない程度にバランスよく混ぜて、さらにそこまでテーマを盛り込んでもなお、エンターテイメントとして面白く仕上げる腕は、相当の物だったと思います。


 また、悪役側の役者さん達も非常にインパクトが強かった。
 特に、世渡りの才能だけで今までやってきた小物ナルシストの雰囲気がもの凄くよく出ていた宮崎先輩役の人と、表の顔である神父様と裏の顔である闇組織の首領の落差、そして

「私の歌がなぜ他人を洗脳できるのか……それは私が歌に魂を込めているからだー!」

「なぜ私の魂を込めた歌が、こんな一発屋ごときに破られるのだ──ッ!」

というセリフがあまりにも印象強かった老師様の人は、未だに忘れられません。
 あの台詞を聞いた時には、歌姫役の平井理子さんじゃない方の主題歌ツインボーカルは間違いなくこの人で、陰の歌姫と陽の歌姫で陰陽ツインボーカルなのか、と思いこんでたので、舞台終了後にあった主題歌ライブで片割れが女主人公の人だった時には非常にがっかりしましたよ(オイ)
 中の人を計算に入れなければ、歌との関係を何一つ描かれなかった女主人公は勿論、(正体はバレバレでしたけど)最後突然歌い出すまでは歌姫っぽい描写は一つもなかったケィティよりもはるかに歌姫キャラだったと思うのですが……まあ、中の人が歌えないとか、歌える人は悪人役が苦手だとかそういう事情もあるのでしょうが。



 ついでに、「悪人役の人達が印象に残った」というのは逆に言うと、善人側の役者さん達は「あの梶田夕貴さんがババアの役を!しかも上手い!」とか「あの友永朱音さんが……いつもと同じような役をやってるなあ(笑)……上手いけど」というような事以外は、あんまり印象に残ってないという事なんですが。
 いやいや、別に役者さん達が下手だった訳じゃあないですよ。
 ただ、キャラ的にスラム街っぽい所に住んでいる普通の貧乏人って役どころの人達だったので、印象に残り様が無いと言うだけで……と言ったら、一緒に見に行った映画とかを滅茶苦茶見ている人に「それが本当に上手いという事だ!」と怒られました。
 見る目が無くて済みません。




 つー訳で、平井理子さんにセリフがある所どころか歌っている部分以外全部よりも、歌っている部分の方が長いくらい出番が少なかった事以外は本当に良い芝居でございました。




 そして、久々の更新なのに、何書いてるかさっぱり分からないであろう大多数の皆さんマジ済みません。
 せっかく東京くんだりまで行ったんだし、一応感想くらいは書きたいなーとか思ったので。