暴力麻雀をやらない達磨ハンなど認めん!

 主に1冊100円で全巻売っていたという理由で、原作版『麻雀放浪記』などを読んでいるんですけど、哲也の弱さにかなりビビりました。

 オーラスになると役満をアガれる特殊能力を持つ黒シャツはもちろん、凌ぎの方の哲ですら全然強いじゃねーかと思うくらい哲也が弱い。
 つーか全巻通してまともに勝った事はほとんど無いんじゃないでしょうか。

 しかも哲也だけでなく黒シャツ版どころか凌ぎのケツアフロですら最強キャラだったドサ健さんも激弱で、出番のほとんどにおいて女のヒモとして生活している駄目人間さんだし、片眼が豚の目玉だった三井さんはめっちゃ普通人で影が薄いし、あの億春さんすら割と普通人(でもオナニーはする)と、各種の漫画版哲也に慣れていると違和感ありまくりです。


 で、面白いか?と言われると、うーむ、面白いんだけど面白くないと言いますか、娯楽小説のはずなんだけど、一応ノンフィクション(という事になっている)せいか、ノリが妙に生真面目だったり、登場人物の底辺生活が妙に生々しかったりで、面白いんだけど割とメッセージ性というか作者の心の叫びみたいなのが強くて微妙にエンターティメントとしては弱い、そんな感じがしました。

 少なくとも、黒シャツ・凌ぎその他、今まで俺が読んできたどの漫画版『麻雀放浪記』とも全くの別物だった事は確かです。



 どうでもいい余談ですけど、以前、一つ前の小池一夫スレにて

小池センセが『ん』を使わないのは、昔、阿佐田哲也の文壇グループに入りたかったんだけど、歯槽膿漏で入れてもらえなかった事があって、せめて彼らが使っていた表記を真似したいと思って『ん』を『ン』と表記しているンだ。

と言う記述があったンですが、これが本当かどうかはともかく、少なくとも『麻雀放浪記』は

〓なンだよ

という記述が頻繁に使われておりました。