ゲーム的にメインディッシュなはずの幼なじみをクリアしたくない理由についてはノーコメントとさせて頂きます

最近はリトルバスターズ原画展のためだけに大阪にやってきたヒマ人他数名に「プレイしてると凄く眠くなるので不眠症気味の君に超お勧め」と無理矢理買わさせられた『ラムネ』というエロゲをプレイしておりました。



このゲームの全体としての出来がどうか?というのは、今の所、4人中3人しかクリアしていない事と、多分このゲームの最重要キャラだと思われる幼なじみのルートをまだクリアしてない(個人的な見解ではありますが、ねこねこソフトのゲームは片岡とも氏が書くルート以外はおまけっつーか、言い過ぎかも知れませんが、片岡とも氏の書くルートを効果的に見せるための要素の一つとして他のシナリオライターが書くキャラのルートがあるという作りになってるような印象があります)ので、何とも言えないのですが、リトルバスターズ(中略)ヒマ人から「エロゲ史に残るくらいつまらない」という話を聞いていた妹のシナリオが本当に凄い事になっていたので、今日はその話です。


と言っても、まあ話自体は割と普通なんですけどね。
本来ならもんの凄いハイテンション娘に育つはずだった妹が、幼少の頃の主人公の行動の結果、もんの凄くウザいネクラメガネに変身してしまうという、進藤さんシナリオ2(2は大抵の場合1に劣るというのも含めて(暴言))なだけで。
話もまあ、他のキャラの話よりちょっと面白くなくて、ちょっと間延びしていて、(1と同じく)ちょっとした予言者気分が味わえるくらい次の展開が読めるだけの、まあエロゲ的に普通の話(暴言)ですよ。


凄かったのは、攻略ルートでだけ、お兄さんを朝起こす時に得意の横四方固めをかけたら、うっかりおっぱいを凄い勢いで押しつけてました、な、天然ハイテンション娘から、お兄さんとまともに話す事もできないネクラメガネにクラスチェンジしている妹のキャラそのものです。
このアマがまあ、自分では気を遣ってるつもりなんだけど「私は気を遣って何も言いませんけど実はめっちゃ気分を害してるんですよ」と全身で主張するわ、同じく自分では気を遣ってるつもりなんだけど凄い勢いで他人の気分を害しまくる発言をするわ、あまつさえ地雷を踏んだ事に気づいた後、これまたもの凄い勢いで「地雷を踏んだ事に気づいたので私とても反省して落ち込んでいますあまり責めないで下さい」と全身で主張するので、逆に地雷を踏まれた主人公の方が落ち込むわと、ど〜〜〜〜〜こまでも不愉快な娘さんでございまして。


そのあまりの地雷娘っぷりに、最初は割とブチ切れながらプレイしてたんですけど、中盤からは逆に、自ら地雷原に飛び込んでいくウザイ妹を観察するゲームとして割と楽しんでいた……ここまではまあ、エロゲによくある地雷ゲーの地雷シナリオだった訳ですよ(笑)。
と、ある事に気づくまでは。



ある瞬間、ふと、気づいてしまったんですよね。
「この女と似たタイプの人間をどこかで見た事があるよなー」と。




で、しばらくどこで見たのか考えて、ようやく気づきました。
その、どこかで見たタイプのウザいネクラというのが、自分自身である事に(笑)




その視点から妹のキャラを振り返ってみると、もう思い当たる事だらけな訳です。
自分では気を遣ってるつもりでも周りにはバレバレでかえって気を遣わないより雰囲気が悪くなってる事とか、気を遣ってるつもりの割には地雷を踏みまくりな所とか、あと、主人公が「やっと妹も昔のように俺と自然に話してくれるようになってきた。良かった。」と思っている裏で「お兄ちゃんが私に優しくしてくれるのは同情でしかない事は分かってるのに……」と自分では他人が何を考えているのか超分かってるつもりだけど、全然的外れでネガティブな事を考えている所とか(笑)。


さらに、これを踏まえてゲームを進めていくと、なんつーかもー、話としては全然面白くないんだけど、あまりにも自分と攻略キャラである妹が似すぎていて微妙に嫌いになれない部分がありつつ、でもやっぱり自分と似すぎていて「という事は、自分もこんだけ他人にムカつかれてるのかな〜」などと考えると非常にブルー、という何とも奇妙な読後感があって黒い意味で最高なお話でした(笑)。




あと、これはちょっと穿ち過ぎな気もするのですけど、(根拠はここに一人実例がいるというだけですけど)妹のネクラキャラとしての造形は非常にリアルなのにもかかわらず(少なくとも私が見た限り)話の流れの持って行き方とか伏線の張り方とか話を面白くするテクニックとかの技術全般においては、(劣っている、と断言できるかはともかく)優れている所は見えなかった事、そして、普通に考えたら狙って攻略キャラが魅力的に見えない様に書くシナリオの人はいないだろう(このゲームは4人の攻略キャラを4人のシナリオライターで1人ずつ書いてる形式な事からしても、狙ってウザくしてる可能性はさらに薄そう)という事から鑑みて、このネクラ造形には、お話を書いた人の近くにモデルがいる……もっとぶっちゃけると、書いた人がネクラだからこういうキャラになったんだろうなー、と思うと、「ああ、自分の書いた文章もネクラでウザイ人物像が透けて見えるのかなー」と思えてさらにブルーでした(笑)


いやね、「文章とかお話に人格が出るかどうか」ってのはたびたび議論される話ですけど、最近いつの間にかエロゲ業界人になってた友人に話を聞く限り、高く評価される話を書くシナリオの人ってのは、「天然で人気者タイプ」にしても「全て計算尽くで外面を作るのが上手いタイプ」にしても、本人もやっぱり書く話と同じような意味で人気があるタイプの人なんですよね……。


という事は、ネクラな上に凄い勢いで敵を作りまくってるっぽいサイトを作っている私は、リアルでも(以下略)。




とまあ、『ラムネ』は話自体が面白いかどうかはさておき(オイ)、いろいろな意味で面白いゲームでございました。
まあ、1人残った幼なじみをクリアする気は今のところ1ミリも無い訳ですが。