「ガンダムの話が通じない女の人とは何を喋ったらいいか分からない」という大佐の言葉にもの凄い親近感を感じたのは自分でも駄目だと思う

 この週末は、大佐こと中ノ目有輝さん追悼ライブのため……と言うか1日だけ復活するみなみおねいさんを見るために、わざわざ東京くんだりまで行ってきました。


 今だから言えますけど、このライブ、正直、東京まで行く価値があるのかどうか、めっちゃ不安だったのですよね。
 出演者は多い(だから相対的にみなみおねいさんの出番も少ないと予想される)。
 出演者の中に(それなり以上に)知ってる人がみなみおねいさん梶田夕貴さんしかいない。
 そもそも1年以上休んでいた上に、その経緯がアレだったみなみおねいさんのステージで果たしてどれだけ盛り上がれるのか、など。



 まあ、結論から言えば、全て杞憂でした。
 いや、本当に東京までわざわざ行った価値は十分あったと思える神秘体験でございました。



 出演者が多かった上に、自分が興味無い部分はブリーフ刑事が何してたかすら覚えてないくらい頭が悪い駄目な子な私には、流石に全員について雑感を語るのは無理なんで、印象が強かった……本当に飛び抜けて印象が強かった何人かについて適当に語ってみようかと思います。




 まず、印象が強かった人その一は梶田夕貴さん
 この人、出演予定メンバーのかなり前の方に載っていたのにもかかわらず、ブリーフ刑事のバックダンサーとして登場した以外は一向に出てくる気配が無く、あまつさえ三回目の出番が来たみなみおねいさんが『やっちゅーロボ!MEGA・みなみん!』を熱唱していたので、もう多分みなみおねいさんがトリ決定で、持ち歌が無いからハブられているんだと思いこんでました(ひでぇ)。


 そしたらトリ(正確には大トリの全員集合の一つ前)に出てきたんですけども、この時もまだ「これは確実にプログラムを組んだ人のミスだろ。みなみおねいさんの後に他の人を持ってこられても盛り上がれる訳もねえよなあ……。」とまで思っていました。


 いや、本当に酷い話です。
 正直、梶田夕貴を舐めすぎでした。
 この人、『人としてどーなのよ』『ラブユー大佐』という歌を歌ってたんですけど、これがまた、生前の大佐の所行につっこみを入れ倒すだけの本当に非道い歌でねえ……素晴らしかったです(流石に誤解されることも無いと思いますが、一応褒め言葉です)。
 つーか、こんな曲を自分で作れる人がいなくなってしまったんだなあ、と改めて大佐がお亡くなりになった事を残念に思えるほどの名曲でしたよ。
 そして、曲のみならず、梶田さんがこれだけ客の心を掴める人だったのも、正直意外でした。
 みなみおねいさんの、それもやっちゅーロボの直後という、ある意味もの凄いハンデを背負った状況であるにも関わらず、盛り上がりでは、全然おねいさんに負けてませんでしたからね。



 あと、レポの内容について考えていた時にやっと気づいたんですけども、あの日のライブは、あくまで「大佐の追悼」がメインだったのですから、やっちゅーロボじゃなくてこっちがトリだったのは、プログラムミスじゃあなくて、ある意味当たり前の事だったんですわな。




 印象が強かった人その二は、佐々木健さん……知らない人の方が多いどころか、多分知ってる人はライブに参加した人か、他の人のライブレポを読んだ人だけだと思うので説明しておくと、大佐の大学時代の先輩です。

 この人はねえ……もう本当に凄い事になっていましたよ。
 『番長連合』を読んでる人だけに分かりやすい言い方(笑)をすると、リアル尾崎さん、リアル喧嘩の天才でした。

 この人が登場する際に

「今から大佐の大学時代の軽音楽部のメンバーが演奏する予定だったんですが、まだボーカルの人が到着していないんでしばらくお待ちください」

とか言い出した時には、正直、この人等の演奏は、追悼的には割と目玉なんだろうけど、おねいさんを見に来ただけの観客である俺等にとっては、このライブで一番のインターバルだと思ってました。
 あまつさえ「いやー急な残業が入っちゃって遅刻しちまったよー」とばかりに中年リーマン風のメガネがステージに上がったあげく「人前で歌うのは14年ぶりなんで、正直、まともに声が出るかどうか」と言い出し、その上、演目がソフトバレエコピーバンドだったのに至っては、少なくとも気持ちの上では完璧に、おねいさんの次の出番に備えて体力を温存する気満々でしたよ。


 これも全部認識が間違ってました。


 なにせこのリーマン風メガネ、演奏が始まったとたんにシャウトするわ、のけぞるわ、エキサイトしすぎて背広を脱ぎ始めるわと、無茶苦茶熱いパフォーマンスで、会場の空気を全部(少なくとも俺等の周りの客の空気は全部)持って行きましたからねえ。
 その後、自分の出番が終わった後、バックダンサーとして出てきた時も、凄い勢いで合いの手を入れるわ、全員集合時の『銀河鉄道999』の時に「メーテルー!!!」などと叫ぶわとやりたい放題でした。
 トドメに、何なんだこのもの凄い素人は!と思っていたら、実は職業が表声優だったらしく「大佐のために絶対いつかガンダムに出演するぞ!と思っていたらとうとう出演できました!……ガンダムonフレッツのCMに!」とオチまで付けてくれましたし。


 思い入れを除けば、多分この人がライブで一番輝いていたと思われます。




 「じゃあ、思い入れ込みでなら誰が一番輝いていた訳?」というと、これはもう、やっぱりみなみおねいさんな訳ですよ。
 一年以上も表舞台から遠ざかっているのにも関わらず、往年のエネルギーそのまんまの勢いで『はいぱぁ☆やっちゅーMEGAみなみん』やら『やっちゅーロボ!MEGA・みなみん!』、そして未発表のままお蔵入りになっていた新曲『YMCA(やっちゅーみなみんクリティカルアタック)』などを熱唱。
 さらに、RUCAさんが正しい『UFO』の振り付けをやってる横で、明らかに間違った『UFO』の踊りを踊っていた(笑)のも実に素晴らしかったんですが、個人的に凄いと思ったのは『UNIVERSE』(端的に言えば、みなみおねいさんの歌なのにも関わらず、ド真面目なバラードですよ)を聞いて普通に感動できた事ですわ。
 いや、ホント酷い話ですけど、自分でも正直ありえないと思いましたよ。
 でも事実ですからね。


 つーか、佐々木健さんや梶田夕貴さんの時も思ったんですけども、本当に凄いアーティストっていうのは、その人の事を知ってる人が誰も(もしくはほとんど)いなかったり、やってる曲を誰も知らなかったり、そもそもコピーバンドだったりする、そんな悪条件の元でも、客の心を掴む事が出来るんだなあ、という事に改めて感動したりとかしてました。



 あと、アーティストの真価っていうものは、曲を作るのが上手いとか、歌が上手いとか、(売り上げ・実績的に)人気があるとかそういう事じゃあなくて、客(ユーザー)の心をどれだけ掴むかという事、そしてそういう意味では、プロ野球界の№1が、実績的には必ずしも№1ではない長嶋である様に、出演作品数・売り上げ・熱狂的なファンの数その他、数字で表せる要素では必ずしも№1ではなかったでしょうが、エロゲ声優界……いや歌姫その他も含めたエロゲ関係の有名人の№1は(少なくとも俺の中では)やっぱりみなみおねいさんだったんだなあ、と改めて思ったりもしました。
 ここら辺、(少なくとも今は)過去形にならざるを得ないのが悲しい所です。




 ま、そんな所です。
 相変わらず、当日何があったかについて全く分からない、本当に投げやりなレポしか書けなくて申し訳ないです。
 とりあえず、一緒に行ったメンバーである、EFAさんMU-6の旦那ラルフ兄さんbakutiku先生(仮名)辺りのレポを読んだら当日何があったかについては分かると思うので、詳細はそちらにお任せしますよ。