雛太先生はロリキャラショタキャラとその他のキャラに対する力の入れ方が違いすぎ

 ここ最近ずっと、『Candytoys』の方はすっかり放っておいて『春恋*乙女』をやっていたんですが、ようやくコンプしました。
 本来はここには真面目な事を書く気はほとんど無いので、こっちでは何も書かずに正規感想に行くんですが、ちょいとどうしても書きたい事があるのに、正規の方は微妙にまとまらなさそうなので、メモ代わりに適当に書いておきます。


 と、その前に、本題とは全く関係ないサブライター3人のシナリオについて投げやりに消化しておきます。

  • 犬先輩彩夏先輩

 萌えとシリアスのバランスがとれた割といい話でしたが、逆に言えばちょっとインパクト不足だった気も。多分客観的に評価すればこのシナリオが一番評判がいいんじゃないかと思います。
 どうでもいい余談ですが、後半の先輩の駄目人間ぶりにはいちいち自分も同じような事をした心当たりがありすぎて個人的評価がさらに高めになりました(笑)

  • ドリル

 普通の萌えゲー。萌え描写はまあまあだけど、シリアス部分が絶望的に微妙な所まで含めて普通の萌えゲー(暴言)
 「この人はこういう事を考えている人間なんですよー」「この話で言いたい事はこんな事なんですよー」という部分を全部台詞で説明するのはどうかと。

  • ソーニャ

 『ゲーム性が無いプリズマ』『川島隆太教授が監修してるんじゃないかと思えるくらい頭が良くなりそうなシナリオ』『登場人物全員が知識をひけらかさずにはいられない病気にかかっている話』。
 出来のいい話を作る事よりも、うんちくをギネスブック級に話の中に盛り込む事を目指して作られたようなシナリオでした。
 今まで、出来が酷いとか技術が無いとかの理由で二度と買いたくないと思ったライターというのはいましたが、作風(と言うか文章の中身)で二度と買いたくないと思ったライターは初めてです。
 とりあえず、主人公が告白を(あからさまに裏事情がありそうな様子で)断られた時に動揺している事を表現する描写として、心の中で

「ゼンマイが3日前と同じ姿で揺れているのは、ゼンマイに毒があって、その毒(アク)を抜く事ができる人間以外には食べられないからだ」

などとうんちくを語らせるのはあり得ないかと。



 さて、ここから本題です。
 現在まで、ヒロイン死亡率激高だったりヒロインがキ○ガイだったりヒロインが○○○されたりしまくる鬱ゲーか、出来が微妙な萌えゲーかONE2しか作ってこなかったシナリオライターである青山拓也さんが、外見上はどう見てもマリ見てパクリゲー標準的な萌えゲーとしか思えない代物を出してきた時には、

可能性1:今までの路線があまりにも不評だったので萌えゲーに路線変更→でもやっぱり萌えが分かってないので不評(俺にも不評)
可能性2:今までの路線があまりにも不評だったので、真面目鬱ゲーなんだけど外見だけ萌えゲーにしてみた→騙されたユーザーが切れて不評(俺は騙されてないので問題無し)

の死亡確定二択は確実だと思ったものです。

 そして、最初にプレイしたごきげんようでござるルートで
「プレイヤーにも主人公が理不尽に嫌われてるようにしか思えないけど、今まで選んできた選択肢とこれが純愛ゲーである事を考慮に入れたらひょっとしたらツンデレのつもりなのかもしれない、でもやっぱり最後まで確信が持てなかったツンデレ(しかも口癖は『ごきげんようでござる』)」
などというとんでもない代物が出てきた時には、8割方(俺にとっては)悪い方の予測である可能性1が当たったと思った……のですが……妹ルートを終了した時に、その予測はおそらく間違っていた事に気づきました。
 内容については(多分いないと思うけど)これを読んでプレイしたくなった人にネタバレしたらまずいと思うので、もの凄い鬱ゲーだった事以外は伏せますが、

可能性3:ツンデレ・妹・幼なじみといった属性の持つ、今まで描かれなかった影の部分を描写する事によって典型的な萌え属性を壊してみる(同時に、それを期待するユーザーに不意打ちをかけてみる)のために、真面目ゲー鬱ゲーなんだけど、あえて外見だけ標準的萌えゲーにしてみた

が8割方確定するようなとんでもない異形の内容だったからです。


 そう考えてみると、ごきげんようでござるのツンデレが、1ミリたりとも萌えない代物であった事も頷ける……とはいえ、幼なじみを終わらせてみない事には、断言は避けるべきだろう……そう思ってプレイした幼なじみルートは、妹ルートのさらに上を行く、とんでもない異形の代物でした。

 こっちも内容については、妹ルート以上のどうしようもない鬱ゲーだった事以外伏せますが、この幼なじみルート、そして青山さん担当の3ルート全て、さらには作品の内容とは全くあわない脳天気な主題歌に脳天気なキャラムービーまで総合して考えると、この作品は

可能性3’:標準的な萌えゲーのフォーマットが今まで描かなかった影の部分を描写する事によって典型的な萌えゲーあり方を壊してみる(同時に、それを期待するユーザーに不意打ちをかけてみる)のために、真面目ゲー鬱ゲーなんだけど、あえて外見だけ標準的萌えゲーにしてみた

というのがおそらく間違いない、そういう意図がなかったとしても、俺的にはそうとしか受け取れない物だったのです。
 (これは流石に邪推だと思いますが、サブライター3人の担当ルートが、出来不出来の差はあれど割と標準的な萌えゲーのフォーマットに近かったのは、妹と幼なじみのルートで全てを叩き壊すための当て馬だった可能性すらあると思います。)

 無論、これらの「シナリオの人の意図」は全て俺の勝手な予測であって、俺がシナリオを書いた本人でない以上、断言する事はできないのですが、個人的にはあまりにも萌えゲーとしては異形に思える作品だったのにも関わらず、(ネタバレを避けるために自主的に情報を集めてなかったからかもしれませんが)「萌えゲーなのにシリアス展開に重きを置きすぎて萌えが足りないゲーム」という感想しか見ないので、ちょっと書いてみました。
 


 ちなみに個人的評価ですが、ある程度変化球で来るとは予測していたものの、魔球レベルの変化球で来られた事もあって、まだ主観評価すら確定していません。
 エロゲーをプレイしてこんなに衝撃を受けたのは僕夏以来なので、最高では僕夏を超えて歴代3位(95点くらい)まで行きそうなんですが、最低だと、インパクトはあったけどなあ、というしきわらレベル(65点くらい)まで落ちそうな可能性がある気もします。

 客観評価だと、6ルート中3ルートが合格点以下な事と、死ぬほどシリアスな本編が終わってスタッフロールが流れた後に、脳天気過ぎるおまけHシナリオを強制的にプレイさせられるクソ仕様、そして萌えゲーのアンチテーゼはともかく、ユーザーに対する不意打ちはよけいだったんじゃないかという理由から、もっと低くなると思いますけど。